田辺聖子さんへのカモカのおっちゃんのプロポーズ

3連休の最終日。猛暑日でもあるので、

田辺聖子のエッセイ  1冊まるごと読みふけりました。

ようやくわかりました、カモカのおっちゃんのいいトコが。

私が二十歳前後、母がよく読んでいたのが、オール読物  でした。田辺聖子さんのエッセーがよく掲載されていました。

たまに私も読みましたが、どこがいいのかよくわかりませんでした 。

お聖とおっちゃんの、なんだかエッチな酒飲み話。ナンジャこれ?  そもそもカモカのおっちゃんって何や?

 

田辺聖子さんも、カモカのおっちゃんも鬼籍に入り、編まれたアンソロジー

『女のイイ顔』 中央公論社

 

私が今読んでも、とてもよくわかる(ようになったし)うえに、現在にも通用する含蓄があるように思えました。

 

モカのおっちゃんの4人の子供、義弟、義妹、叔母さんと同居、田辺聖子さんは、

小説家で実母と二人暮し、

 

どう考えたって、結婚は無理!

子育て、家事に加え、小説も書くなんて、

どっちも中途半端になっちゃうよ!  と怒鳴ったら、

 

中途半端と中途半端が二つ寄ったら、満タンになるやないか

淡々と言いくるめられてしまう。くそう、と思うが焦るばかりで返事ができない。

 

のだけれども、展望のない安定生活よりも波乱万丈が予想されても、展望のいい、面白おかしい人生の方がいい  という気になった  そうで、

 

黙った田辺聖子さんへ、無造作にいいかぶせたそうです。

ま、こんなトコやな

ナアナアのうちになんとなく納得させられてしまう、

土蜘蛛のめくらましの糸のようだった

 

ことで、結婚してしまった?  みたいです。

 

思わず吹き出しました。

 

そうか、満タンっていうのか  上手いなあ。

 

私  おセイサンのエッセー、これからも何度も読み返すような気がします。

 

花も嵐も踏み越えて  しょうがないよ

なってしまったものは!  

自分もそんなとこあるから、お手本になりそうです。