『他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ 』ブレイディみかこ著

今週のお題「最近読んでるもの」

ブレディみかこさんの『ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー』の次作にあたります。

ぼくはイエロー ・・は、表紙のデザインが、なんとなく馴染めず、スルーしました。それはとんでもない思い違いだったようです!  スルーして損した。

 

って思わせるのが、本作です。

面白かったです。ブレイディみかこさんは、英国ブライトンに住んでいらっしゃるそうです。保育士で働いた経験もあり、幾層にも走る視点からかかれたエッセイは、

えっ そうなの という驚きがあって、面白かったです。英国首相だったサッチャーさんに関して、英国民の偽らざる気持ち、思わず あゝ そういうことか、 と納得しました。

 

私が読んだサッチャー首相に関する評価は、持ち上げる人もいれば、酷評する人もいらして、うん?  混乱していました。

 

いわくサッチャー首相には、シンパシーがあってもエンパシーがない。

エンパシーとは、他者の靴を履けること。他人に対する共感能力のことだそうです。

 

でも著者は、きっちりエンパシー能力の良い面、悪い面を押さえて伝えてくれます。

そして英国の教育において、エンパス能力を育てる訓練もするようで、こんな教育、日本でもしていたらいいのにな(すでに実施しているところもあるのかもしれませんが)と感心しました。

 

他者を理解すること、でも自分を保つこと、これが他者の靴を履けるってことだな、と痛感しました。果たして、自分にどこまで出来るでしょうか。