先生、シマリスがヘビの頭をかじっています!

小林朋道著 築地書館 2020
鳥取環境大学の森の人間動物行動学
が、サブタイトル。
恥ずかしながら、鳥取県と島根県の位置がこんがらかってしまい、も一度地図帳を見直しました。
なぜ気にしたかといいますと、著者の小林先生が、鳥取駅のあちこちにある、動物の置物の代わりに、ヤギ広場にしたらどうですか とおっしゃっているからなのですが、駅前広場で、ヤギがのどかに草をはむっていいな。日本全国の駅、ヤギ広場になったら和みます。勝手に想像してしまいました。
本書タイトルのシマリスは、小林先生の研究室で飼われています。アオダイショウもいます。ヤギ部もあり、ヤギ子という名前のヤギもいます。
件のシマリスは、アオダイショウの頭をかじって、ヘビの匂いをつけることによって、擬態?をするのだそうです。
私は正直言ってヘビは見るのも苦手です。
不思議なことに、ここの研究室のアオダイショウ(勝手に、私がアオ子としちゃった)の写真と文章を読んでいるうちに、このアオ子については、他の小動物なみに
普通に あ、いるんだな と思えるようになりました。
鳥取県にはこんなたのしい大学あるようですね。
27000冊ガーデン

神奈川県のとある高校の司書と、その高校に見計らい図書を納入する書店員が、学校で起きた、ささやかな謎を解き明かす、ミステリー プラス お仕事 小説です。
本を読むって、『手っ取り早く』がないでしょう?職業柄 待つのもゆっくりもお任せあれ
って、司書の特権 だそうです。
ウ~ン、自分も司書だけど、特権とは思ったことないかも。待つのもゆっくりも、あたりまえ なことだったから。少なくとも本を読むことに関しては、あたりまえなこと だったから。
いつか、その本の言いたいことがわかる時が、あるかもしれないし、読めるようになるかもしれない。その繰り返しだから。
その場その時、そう感じた自分と、数年後、再び読んで 違った思いを抱く自分は、同じ自分じゃないようなきがする。
そうやって、ようやく その本の内容がわかってくる。理解するって、そういうことじゃないかなあ。
気長にそのお手伝いをするのが、司書の性分かもしれないなー。
悠長といえば悠長かもしれません。
本書についていえば、高校生の複雑な心模様が、本を通して伝わってくる、ちょっと
サスペンスっぽい物語でした。
一杯のおいしい紅茶

ジョージ・オーウェル著 小野寺健編訳
中公文庫 2021
さすがに、この方の書かれた名高い『1984』はちょっと私には読めない(難しい感じがして、苦しい気分になりそう)のですが、エッセーはよくわかりました。
翻訳された日本語であるにかかわらず、
それでも、やはり 明晰で節度ある文体でした。原文もそのようであると、充分察せられます。
平たく言うと、古き善き時代の苦労人の紳士が書かれた文章、という気がします。
おいしい紅茶を入れるために、10個の条件を述べます。オーウェルさんは、ミルクは後からいれる派。茶葉は、インドかセイロン(スリランカ)産。
イギリス料理は美味しい と弁護します。
林望さんの『イギリスはおいしい』では、イギリス料理は、まずい ですが。リンボウさん曰く、ただ煮ればいいってもんじゃないのに、クタクタ煮る そうです。
イギリス家庭料理はどうかわかりませんが、1回だけたまたまイギリス、ロンドンに泊まったホテルの朝ごはんについていえば、美味しいように思いました。
児童文学であんなに嫌がられる、ポリジ(おかゆ)が続いたけど、わりと好きでした。もともと、おかゆが好物だからかもしれませんが。焼きトマトも珍しく、美味しかったです。なんだ~ イギリスはおいしいなー でした。はて?
オーウェルさんの人間はぬくもりと交際と余暇と慰安と安全を必要とするのである
という言葉も、なんだか優しさを感じました。
逆境を生き抜くための教養

NHK Eテレ でこの出口治明さんのインタビュー番組を拝見しました。
立命館アジア太平洋大学元学長。知の巨人と言われた方ですが、脳内出血による片麻痺で、1年後 リハビリをして、学長に復帰された方でした。
言葉がうまくでませんが、筆記とゆっくり話す内容に、感動しました。
突然仕事中に倒れて、気がついた時には、
身体が不自由。その時 支えた言葉がダーウィンの 『適者生存』だったそうです。
生物は、強いものが生き残ったのではなく、変化にうまく対応したものが生き残る
そんなふうに考えられるのが、素敵だな
と思いました。起きた変化をなかったことにできないので、あきらめる。あきらめて、新しい景色の中で、何ができるか考える。マイノリティになってみて、新たに発見することがある。
すごいなあ。発見っていうところが素敵。
他にも名言が。
明日死ぬと思って生きなさい。永遠に生きると思って学びなさい。(マハトマ・ガンジー)
僕にとって、友達は過去。学生は未来。
未来は楽しいでしょ。
あきらめるとは、運命を受け入れてベストを尽くすこと。
僕は、隙が嫌い。
ニコニコしながらおっしゃるので、
感動しました。インタビューで話したことと、ほぼそっくり同じことが、この本に掲載されてます。こんな方と同じ時代に生きていて、良かったなと思います。
松岡享子からの贈り物

東京子ども図書館50周年記念
公益法人ギャラリーエークワッド
2024
憧れの児童図書館司書でした
児童文学の種を植えたお一人。瀬田貞二さんとともに、ずっとその後をたどるように、あこがれ続けたような気がします。
ストーリーテラーのアイリーン・コルウェルさんとご昵懇だったと、この小冊子ではじめて知りました。
東京子ども図書館の職員さんには、
「まじめは足りてます」とつねづね言っていたそうです。なんかいいなあ。
せめて子どもの時くらい、明るい気持ちで、ゆったり本にひたれるひとときを持っていてほしいな。
いまだに、大人になりきれないわたしは、思うわけです。

